このしろ)” の例文
ポプラの大木は鞭のようにしない曲りながら、撓い返すと見る間に、片側の葉は残らずぎ飛び、現れた枝は半身むしり取ったこのしろの骨のように見えます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「ウ、フ、お目にかけ度い位、冬瓜とうがんを水ぶくれにして、このしろの袷を着せて、オホンとやらかすと、丁度あんな工合」
ちよつとこのしろに似て、それよりも小ぶりな魚で、つねには肉が痩せてゐて、とてもたべられさうにはない魚だが、秋に入ると、脂がのつてふしぎに味が出てくる。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
このしろ 七三・三四 二〇・四三 四・七八 一・四五
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
赤塚氏はこのしろのやうな青い顔をして、羨ましさうに呉俊陞氏の脂ぎつた身体からだを見上げた。
通な人達からはこのしろの腹と言われるピカピカの一張羅いっちょうら、それを寝押して夜昼オッ通して着ているらしく、部屋の中の調度も、田舎芝居の小道屋のようで、何となくケバケバしく見えます。