鬱茂うつも)” の例文
竹の林に花の山、新緑鬱茂うつもして居るその上に、魚尾雪峯マチプサより流れ来る水は都会の周囲を流れて遠く山間に流れ去るという。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
といってどこに南国らしい森の鬱茂うつもも平野の展開も見られなかった。すべてがだらけきっているように見えた。
蒼白い月 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
著名な探険家であった近藤重蔵は時の政府に「イシカリ川の義は、総蝦夷地の中央第一の大河にして、水源までおよそ百里の間、左右うち開け候平地沃野のみにて樹林鬱茂うつも、夷人所々に住居、川上まで、夷人粮魚りょうぎょおびただしくこれあり」
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)