鬢附びんつけ)” の例文
江戸の水、常磐香ときわこう鬢附びんつけ、玉屋のべに、それを甲府に求めて得られない時は、江戸までも使を立てて呼び求めます。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
外科なんと来た日にゃあ、鬢附びんつけへ水を垂らしてひやりときずにつけるくらいなところ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かた御殿形ごてんがた、お初形はつがた、歌舞伎形などありと知るべし。次には櫛なり、差櫛さしぐし梳櫛すきぐし洗櫛あらひぐし中櫛なかざし鬢掻びんかき毛筋棒けすぢぼういづれも其一そのいちくべからず。また、鬢附びんつけ梳油すきあぶらと水油とこの三種の油必要なり。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)