高岡たかおか)” の例文
越中高岡たかおかより倶利伽羅下くりからじた建場たてばなる石動いするぎまで、四里八町が間を定時発の乗り合い馬車あり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
富山に次ぐ大きな町は高岡たかおかであります。漆器も色々と出来、「錆絵さびえ」で名を売りましたが仕事が最もさかんなのは銅器であります。火鉢だとか花瓶だとか、置物だとか、全国に売り出します。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
高岡たかおか大野見おおのみ郷島の川の山中にて、官より香蕈こうじんを作らせたまふとき雪の中に大なる足跡を見る、其跡左のみにて一二間を隔て、又右足跡ばかりの跡ありこれは一つ足と称し、常にあるものなり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
牧場のほうも農場のほうも森谷さまと高岡たかおかさまと二人で始めて、森谷さまのお嬢さんと高岡さまの坊ちゃんの正勝さんとは兄妹のようにして育ったのを、高岡さまのほうだけが不幸なことになって
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
日向の高岡たかおか郷(東諸県ひがしもろかた郡)にものしける時、籾木村なる郷士、籾木新右衛門と云へる人の物がたりに、高鍋たかなべ領の小菅岳こすげがたけといふ山に、高岡郷より猟に行通ふ者のありけるが、一日わなを張り置けるに
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)