“驢背”の読み方と例文
読み方割合
ろはい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天下の事に憤慨するよりも、一鉢の朝顔に水を遣る真実味を愛するといった風で、驢背ろはいの安きにかずという亡国の賢人に似たところがある。
をぢは我をも驢背ろはいに抱き上げたるに、かの童は後より一鞭加へて驅けいださせつ。途すがらをぢは、いつもの厭はしきさまにすかし慰めき。見よ吾兒。よき驢にあらずや。
或いは、そのまま家へ帰って、逃げかくれてしまいはせぬかと、二、三の兵があとを尾けて行ったが、そうでもなく、驢背ろはいの姿は、急ぎもせず、怠りもせず、黙々と、荊州の方角へ向って行った。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)