馬耳塞マルセイユ)” の例文
此より拿破里にゆきて、ヱズヰオに登り、汽船にて馬耳塞マルセイユに渡り、南佛蘭西を遊歴すべしとなり。士兵八騎はいかめしく物具して至れり。馭者は鞭をふるへり。
手籠を持った馬耳塞マルセイユ人——それぞれクッションのバネのすべらかな動揺につれて、ひっきりなしに飛びあがりながら眠りこけているうちに、漫然と介在した若い男女の東洋人
どういうものか最初から私を「馬耳塞マルセイユから脱船してきた下級船員」に決めてかかっていたのだ。
五月八日 午前十時、馬耳塞マルセイユ著。郵船会社に立寄り箱根丸乗船。山下馬耳塞領事来船。四時出帆。友次郎は山下領事等と共に波止場に立ち長く見送る。港内にて清三郎乗船の筥崎丸はこざきまると行違ふ。
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
馬耳塞港夜景(馬耳塞マルセイユ港の夜景)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
のみならず、それ以来、妄覚に悩まされ、白昼、幻を見るような不安な容態になったので、本意ではなかったが一旦帰国することにし、十一月の末、馬耳塞マルセイユから船に乗った。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
これくらいなら「馬耳塞マルセイユでいぎりすの石炭船から脱船」しなけりゃかったと思ったほどだ。
馬耳塞マルセイユでもリスボンでもハンブルクでもリヴァプウルでも、未知の日本人——そして日本帝国外務大臣発行の旅券を持たない人々——のあいだの最初の会話は、魔窟でも酒場でも波止場でも