馬喰町ばくろうちょう)” の例文
私の宅はその頃下谷の松山町にありましたので、其所そこから日本橋の馬喰町ばくろうちょう越中屋えっちゅうやという木地きじ商(象牙の)の家へ仕事に毎日行くんでしてね。
陸がはじめて長唄の手ほどきをしてもらった師匠は日本橋馬喰町ばくろうちょうの二世杵屋勝三郎で、馬場ばば鬼勝おにかつと称せられた名人である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
じつあ、あの町奴め、さかさねこの伝兵衛でんべえとかいう野郎でね。ねぐらがまた大笑いなことに、八丁堀とは目と鼻の日本橋馬喰町ばくろうちょうの大根河岸がしだとぬかしゃがるんだ。
花の頃ではありませんでしたが、喜多院や三芳野天神へも参詣して来ました。今はどうなったか知りませんが、その頃は石原町というところに宿屋がならんでいて、江戸の馬喰町ばくろうちょうのような姿でした
ここでまた話が八重になりますが、……その頃馬喰町ばくろうちょう小町水こまちすいの本舗の主人に平尾賛平氏という人がありました。
「日本橋馬喰町ばくろうちょう新右衛門しんえもん身内、おなつ」
右門捕物帖:30 闇男 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)