香炉峰こうろほう)” の例文
大寺おおでらの鐘の音を聞いていると、白楽天の詩にある遺愛寺いあいじの鐘を聞く想いがし、又西山にしやまの雪景色は香炉峰こうろほうの眺めを思わせた。
浪子は幼きよりいたって人なつこく、しかも怜悧りこうに、香炉峰こうろほうの雪にすだれを巻くほどならずとも、三つのころよりうばに抱かれて見送る玄関にわれから帽をとって阿爺ちちかしらに載すほどの気はききたり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)