風情フゼイ)” の例文
伊予染めの胴に夢のやうな藤紫の肩当て、暖簾を分けて立つた桜丸の姿——これが菊五郎かと思ふほど、うちけぶる風情フゼイがあつた。落入りまでまことに行儀正しい桜丸だつた。
手習鑑評判記 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)