願書ねがいしょ)” の例文
どうするかというと、願書ねがいしょというものを書いてお奉行様ぶぎょうさまに出すのである。しかしただ殺さないでおいてくださいと言ったって、それではきかれない。
最後の一句 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
家中の噂を聞き流していたのでは、甚太夫も武士が立たなかった。彼はすぐに三左衛門の意を帯して、改めて指南番瀬沼兵衛せぬまひょうえと三本勝負をしたいと云う願書ねがいしょを出した。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「それ御覧。まつさんはただわたしについて来て同じようにさえしていればいいのだよ。わたしが今夜願書ねがいしょを書いておいて、あしたの朝早く持っていきましょうね。」
最後の一句 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
とうとうわたくしに自分だけのお願書ねがいしょを書かせて、持ってまいりました。
最後の一句 (新字新仮名) / 森鴎外(著)