頓知とんち)” の例文
俳句などというものは当意即妙で頓知とんちさえあればできるもののごとく心得ている人がずいぶんありますが、そうではありません。
俳句の作りよう (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
一行中の頓知とんちのいい男が大声で、「天狗様は木登りも上手だが、木からおりるのも速かろう。一つ、われらにその妖術を見せてくれまいか」
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「シーニュ(白鳥)にはシーニュ(合い図)がわかる。」と市民はその頓知とんちを得意そうに言った。
これはただ仮面めんかぶりと頓知とんちの天才、法律的ごまかしの天才なんだからね——してみれば、なにも特に驚くにゃ当たらない! いったいこんなのがあり得ないことかい? だが
この犬ののふり方にはたいていの人のしたや口で言う以上いじょう頓知とんち能弁のうべんがふくまれていた。わたしとカピの間にはことばはらなかった。はじめての日からおたがいの心持ちはわかっていた。