霎時しょうじ)” の例文
彼にして死せずんば、あるいは公武合体の変則制を霎時しょうじの間建立したるもいまだ知るべからず。惜しむべし彼は安政四年六月を以て死せり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
同一の社会において、肩を摩したもとを連ねて、生活せざるべからざる奇異の現象を霎時しょうじに幻出するに至らしめたり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
しこうして二者の関係、電わずかにひらめけば、雷たちまち轟くが如く、霎時しょうじい発するあり。あるいは肥料を植物に施したるが如く、その効験容易に察すべからざるものあり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
畢竟ひっきょうするにかの希望的の光輝に反映して霎時しょうじに幻出したるものにして、これをたとえばかの月はもとより光輝なきものなれどもただ太陽の光輝に反映して美妙の光を放つがごときを見るべし。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)