霊魂アニマ)” の例文
旧字:靈魂
釈迦しゃかの説いた教によれば、我々人間の霊魂アニマは、その罪の軽重けいちょう深浅に従い、あるいは小鳥となり、あるいは牛となり、あるいはまた樹木となるそうである。
おぎん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
おんあるじ、大いなる御威光ごいこう、大いなる御威勢ごいせいを以て天下あまくだり給い、土埃つちほこりになりたる人々の色身しきしんを、もとの霊魂アニマあわせてよみ返し給い、善人は天上の快楽けらくを受け
おぎん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼の霊魂アニマを奪い合う天使と悪魔とを見ているのである。もしその時足もとのおぎんが泣き伏した顔を挙げずにいたら、——いや、もうおぎんは顔を挙げた。
おぎん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私もとる年でございますし、霊魂アニマ天主デウスに御捧げ申すのも、長い事ではございますまい。しかし、それまでには孫のお栄も、不慮の災難でもございませなんだら、大方おおかた年頃になるでございましょう。
黒衣聖母 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)