零余子ぬかご)” の例文
旧字:零餘子
吉良と義光ちゃんは、わたくしの傍でレスリングをして上になったり下になったりしています。八重子は拾って来た零余子ぬかごの数を数えています。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
また時には零余子ぬかごを拾ったり、せりをつんだりする時もあるのである。そんな事にもあきた時には山麓まで行って田にある所の落穂を拾って穂組を造ったりするのである。
現代語訳 方丈記 (新字新仮名) / 鴨長明(著)
「——有難や、地下にもなお、この天禄があるか。地上の物は、ここ数旬の滞陣に、あけび、胡桃くるみえのきの実、山葡萄やまぶどう、食える物は零余子ぬかごにいたるまで喰べ尽したかに見らるるが、……弥太郎、まだまだあるなあ」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
八重子は拾って来た掌の中の零余子ぬかごの数をかぞえていましたが「危ないわよ/\」と眉をひそめながら避けて逃げます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
零余子ぬかごも拾う。こういうようなことを普通に喋っていますと、池上は、だん/\深刻な顔になって来ました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)