陣立じんだて)” の例文
止むなく、飯之浦いいのうらに踏み止まろうとした。加藤虎之助、桜井左吉進み出て、盛政の陣立じんだて直らぬうちに破らん事を秀吉に乞うた。
賤ヶ岳合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それが、時には交ぜこぜになり、時にはまた異様な陣立じんだてに排列され、遂にだんだん減少してぼんやりとして来た。
白光 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「いったい、竹竿とか、棒切とか、砂利とかをつかって、そんな陣立じんだてをしたのは誰の考えなんだ。」
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
とんぼぐみの隊伍は、そのまましずかに進んで、ころあいなところで、鳥雲ちょううんじんにくずれ、また魚鱗ぎょりんかたちにむすび、しきりと厳重げんじゅう陣立じんだてもうとくふうしているようすであったが
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上杉謙信が退却する時にはこんな陣立じんだてであろうかとさえ思わせられました。