闖入者ちんにふしや)” の例文
いや、その外に水口の障子ががらりと明けられたのも同時だつた。乞食は咄嗟とつさに身構へながら、まともに闖入者ちんにふしやと眼を合せた。
お富の貞操 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
すると其所には思ひがけぬ闖入者ちんにふしやの丸い頭を見附けた。いきなり抱いてしまひたいほど可愛い男の子だ。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
しかし私の夜はみじめで、私のいこひは破られた。地上はしめつぽく空氣はつめたかつた。その上、闖入者ちんにふしやが一度ならず私の直ぐ傍を通つて行くので、私は幾度も場所を變へねばならなかつた。
平次はそんな無駄を言ひ乍ら、この闖入者ちんにふしやを迎へました。
闖入者ちんにふしやなり
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「君は誰だ?」と彼は闖入者ちんにふしやたづねた。