閏年うるうどし)” の例文
だが小説中の五月は旧暦で、また元弘三年は閏年うるうどしだったから、鎌倉滅亡の兵燹へいせんは七月の季感にあったと思えばいい。まったく炎暑の陣だった。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
閏年うるうどしには二十六本、すなわち十三本の倍数を打つというから、多分はこれにって月々の吉凶きっきょうまたは晴雨をぼくしたのだろうと思うが、現在はもう自信がなくなったものか
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ところが二月二十九日は閏年うるうどしにあるんで……だからこの人の誕生日は四年に一度しか来ないわけで。その人が十七回の誕生日を迎える時には、幾つになると思います。……六十過ぎですよ
白妖 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)