鑿痕さっこん)” の例文
普通の法衣の如く輪袈裟わげさをかけ、結跏趺座けっかふざして弥勒のいんを結びたるが、作者の自像かと思わるるふしあり。全体の刀法すこぶ簡勁かんけい雄渾ゆうこんにして、鋸歯状きょしじょう、波状の鑿痕さっこん到る処に存す。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)