鐵葉ブリキ)” の例文
新字:鉄葉
何時の間にか私の茶碗は胸のところに當つて居ました。そこで姉は一計を案出しました。四角に切つた鐵葉ブリキきれに紐を着けまして、食事の度に私に掛けさせることにしたのです。
出がらしになつた急須の茶滓を茶碗の一つに空けて、机の下から小さい鐵葉ブリキの茶壺を取出したが、その手付がいかにもものぐさ相で、私の樣な氣の早い者が見ると、もどかしくなる位緩々のろ/\してゐる。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)