鍔競つばぜ)” の例文
左膳の濡れ燕を、頭上斜めにかざして、ガッシリと受けとめるが早いか、二本の剣は、さながら白蛇のようにもつれ絡んで……鍔競つばぜり合いです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それはむしろ、暴ともいうべき鍔競つばぜりをしかけて、いきなり金吾を押して来ました。場なれのした彼の大胆と、その上背うわぜいから押してくる圧倒です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
押せば押し返し引けば附け入る、粘りを持った鍔競つばぜり合い! 鍔競り合いの恐ろしさは、離れ際の一刹那にある。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
シュッシュッと刀競かたなぜりにり合って、あわや鍔競つばぜり——双方必死の足技あしわざを試みつつ、タタタタと押しつ押されつの息喘いきあえぎ、昼なら玉なす脂汗がどっちにもギラギラ見えたであろう。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と見る間に、御方はたちまちツイとそこを離れて今や、鍔競つばぜりの食い合いとなって勝負果てしなく見えた大月玄蕃と新九郎の傍へき進み、寄るが早いか、やッと、密やかな含み気合。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)