銀釵ぎんさ)” の例文
姫は、涙でいっぱいになったひとみで、かしらを下げた。その黒髪の銀釵ぎんさはもう揺れだしたわだち燦々きらきらとうごいていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
えりすじの白さ、銀釵ぎんさのかすかなふるえ、帯の光——月の下とはいえ眼に痛いほどって来る。十九か二十歳はたち。そして良家の子女であることはいうまでもない。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)