銀沙ぎんさ)” の例文
材木と材木の間には道路工事の銀沙ぎんさの丘があり、川から舟で揚げるのだが、彼女は朝飯前にそこで陥穽おとしあなを作り、有合せの板をわたして砂を振りかけ、子供をおびき寄せたりしていたが
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
その瞬間庸三は何か現世離れのした感じで、海に戯れている彼女の姿が山の精でもあるかのように思えた。庸三はきらきら銀沙ぎんさの水に透けて見える波際なみぎわに立っていた。広い浜に人影も差さなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)