金明水きんめいすい)” の例文
富士を須走口すばしりぐちへ降りる時、すべって転んで、腰にぶら下げた大きな金明水きんめいすい入の硝子壜ガラスびんを、こわしたなり帯へくくりつけて歩いた彼の姿扮すがたなどが眼に浮んだ。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だんにむかって、七つの赤蝋せきろうをともし、金明水きんめいすい銀明水ぎんめいすい浄水じょうすいをささげて、そこにぬかずいた呂宋兵衛るそんべえは、なにかわけのわからぬいのりのことばをつぶやきながら、いっしんに空の星をいのりだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)