金助町きんすけちょう)” の例文
と月あまり経ったある日、秋月九十郎はかつての恋敵妻木右太之進を、湯島金助町きんすけちょうの屋敷に訪ねたのは、何んという風の吹き廻しでしょう。
「ずっと京橋の金助町きんすけちょうにおりまして、麹町にまいりましたのはついこの春。酒も飲まず、実体じっていな男というきり、くわしいことは存じませんです」
親分さん——ととさんの出入りの御屋敷で御目見以上というと、三軒しかありません。一軒は金助町きんすけちょう園山若狭そのやまわかさ様、一軒は御徒士町おかちまちの吉田一学いちがく様、あとの一軒は同朋町どうぼうちょう篠塚三郎右衛門しのづかさぶろうえもん