“野毛山”の読み方と例文
読み方割合
のげやま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昨夜彼は、この女を護って、野毛山のげやまのバラックに泊った。女は、例の手をしきりに痛がっていたので、そこにあった救護所で手当を受けさせた。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ある日も寛斎は用達ようたしのついでに、神奈川台の上まで歩いたが、なんとなく野毛山のげやまかすんで見え、沖の向こうに姿をあらわしている上総かずさ辺の断崖だんがいには遠い日があたって
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
往来に出るとその旅館の女中が四五人早じまいをして昼間ひるまの中を野毛山のげやまの大神宮のほうにでも散歩に行くらしい後ろ姿を見た。そそくさと朝の掃除を急いだ女中たちの心も葉子には読めた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)