道行どうぎょう)” の例文
寂照は入道してから、ただもう道心を持し、道行どうぎょうを励み道義を詮するほかに余念も無く、清浄安静しょうじょうあんじょうに生活した。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それからまもなく、石念と鈴野とは、師の媒介なかだちで添うことになった。親鸞の寛大と英断に驚く者もあったが、それからの石念の道行どうぎょうはたしかに一歩も二歩も進んでいた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
発心ほっしんの由来を承りたいと云うと、やはり年老いた入道で、衣の破れたのに七条の袈裟けさをかけて看経かんきんしていたが、道行どうぎょうに痩せて顔の色は黒く、哀れなさまをしているものゝ
三人法師 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)