道也どうや)” の例文
どうしても無念だ。石にみついてもと思う矢先に道也どうやの演説を聞いて床についた。医者は大胆にも結核の初期だと云う。いよいよ結核なら、とても助からない。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もっともわがままなる善人が二人、美くしく飾りたるしつに、深刻なる遊戯を演じている。室外の天下は蕭寥しょうりょうたる秋である。天下の秋は幾多の道也どうや先生を苦しめつつある。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
道也どうやと読むんだか、何だか知らないが、僕らは道也、道也って呼んだものだ。その道也先生がね——やっぱり君、文学士だぜ。その先生をとうとうみんなして追い出してしまった」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)