遍在へんざい)” の例文
仏典をし、彼の心は卑下ひげするところなく高められ、遍在へんざいし、その心は香気の如く無にも帰し、岩の如くにそびえもし、滝の如くに一途に祈りもするのであった。
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
そして私たちが彼の無限と全能と遍在へんざいとを最もあきらかに讀み得るのは、神の造り給うた數知れぬ星が音なく軌道きだうを辷りゆく雲なき夜の空である。私はロチスター氏の爲めにお祈りしようと跪いた。