連子れんじ)” の例文
何年間もこわれたままになっていた床の間の横連子れんじも新しくこしらえられ、電燈のかさも、奇麗な透し入りの新しいのになっている。
連子れんじ、日がさしゃ、仲どん、内しょで起きる。もう帰るのかい。別れが辛い。いつ来なますえ、え、え、晩に来るよ。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
連子れんじ窓からさし込む朝日の光の下で、下女たちが食事をしている。昌平はぐっと唾をのみながら云った。
七日七夜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
コトコトと梯子段を登る音が止んで暫らくすると、六角に連子れんじをはめた高燈籠のしんに、紅々あかあかと燈火が燃え上りました。光明真言の唱えは、それと共に一層鮮やかでえて響き渡ります。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
なかにはぜひ書きとめて置きたいものもあるのだが、間もなく夜が明けるとみえて連子れんじのあたりが白んでいるし、もうすぐ貞二郎が起きて来るだろう、あの子は朝が早いのだから……。
日本婦道記:桃の井戸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
裏通りに面して入口と連子れんじ窓があり、雨戸も戸袋もまだ新らしく、ちょっと見ると居酒屋のような作りであるが、その出入り口の雨戸には、幅五寸ばかりの板が斜十字に打ちつけてあった。