近江守おうみのかみ)” の例文
まず柳沢吉保を筆頭に、牧野備後守まきのびんごのかみ松平右京太夫まつだいらうきょうだゆう稲垣対馬守いながきつしまのかみ、そして格は下がるが、荻原近江守おうみのかみもそのひとりだという。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『江都名家詩選』の巻頭に置かれた名家は岡本花亭である。花亭は御鎗おやり奉行岡本近江守おうみのかみの雅号である。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
五節の舞い姫は皆とどまって宮中の奉仕をするようとの仰せであったが、いったんは皆退出させて、近江守おうみのかみのは唐崎からさき、摂津守の子は浪速なにわはらいをさせたいと願って自宅へ帰った。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
追いすがって、支えているのは、高家衆の品川豊前守ぶぜんのかみや、大友近江守おうみのかみたちであった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
按察使あぜち大納言の娘、左衛門督さえもんのかみの娘などが出ることになっていた。それから殿上役人の中から一人出す舞い姫には、今は近江守おうみのかみで左中弁を兼ねている良清朝臣よしきよあそんの娘がなることになっていた。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)