迂潤うかつ)” の例文
凝視しているうちに、あッと彼は仰天するように絶叫し、さっと色青ざめ、見る間に酔も醒めはてて行くとがたがたと顫え出した。何という俺は迂潤うかつだったろう。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
たった一言迂潤うかつに口を滑らせたばっかりに、再び一万マイルもある向うへ引き離してしまった自分の莫迦さ加減を思うと、つくづく愛想もコソも尽き果ててしまったのであった。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)