辰弥たつや)” の例文
客はさる省の書記官に、奥村辰弥たつやとて売出しの男、はからぬ病に公の暇をい、ようやく本に復したる後の身を養わんとて、今日しもこの梅屋に来たれるなり。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
そのあとから岡田辰弥たつやが来たのだが、詰衿の服にまる刈りの坊主頭で、島さんの眼には十四、五の少年としかみえず、酒を飲むのだから子供は遠慮してくれと、なだめるように断わった。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)