転換てんかん)” の例文
旧字:轉換
しかし少年の一点のひがみも屈託くったくもない顔つきと行雲流水のような行動とは人々の心に何か気分を転換てんかんさせ、生活に張気を起させる容易なものがあったらしい。
みちのく (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ぼくはこれからの僕の教育生活の方向転換てんかんをする決心でお願いしているんです。そのためには、見学というような、なまぬるい立場では、どうしても満足できません。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
余の苦心せるところは、如何にして原子崩壊の際生ずるエネルギーを、航空機推進力に転換てんかんせしめるかということ、それから如何いかにして最少のエネルギーを取出すかということであった。
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それがため、父はいらだたしさにさもしく老衰ろうすいして行き、自分は初恋からいやしく五十男に転換てんかんして行く……。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
むろん、ぼくは、「愛されたい願い」から、「愛したい願い」への心の転換てんかんを尊く思わないのではない。だが、それはしょせん人生の公式的教訓でしかないのではないか。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)