身代みがわり)” の例文
「手が墨だらけになりますと云うのに。貴娘そんな邪険な事を云って、私の手がお身代みがわりに立っている処じゃありませんか。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ですからね、照吉さんのは、気病きやみだって。それから大事の人の生命いのちに代って身代みがわりに死ぬんですって。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かずき被替かけかえて虚兵を張り、人形を身代みがわりにして下枝を隠し、二度ふたたび毒刃どくじんを外して三度目に、得三が親仁おやじを追懸け出でて、老婆に出逢い、一条の物語に少しくひまの取れたるにぞ、いでこの時と泰助は
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうして娘は居ず、さしずめ身代みがわりにお前さね。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)