蹲居つくなん)” の例文
『奥へ行って、やすみな、寝てたッて聞こえるよ。』母親おふくろは心配そうに言う。それでもお梅は返事をしないでそのまま蹲居つくなんでいた。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『ありがとう。』幸吉は急いで中二階の方へ行った、しかし頭をれたまま。お梅は座敷のすみの方の薄暗い所に蹲居つくなんで浪花節を聞いていたが、みんなが笑う時でも笑顔えがお一つしなかった。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)