贄川にえかわ)” の例文
道であそんでいる小さな児が茱萸を食いながら余の方を不思議そうに見ておるなども時々あった。木曾路へ這入って贄川にえかわまで来た。
くだもの (新字新仮名) / 正岡子規(著)
「今日は是非とも洗馬せばを越えて贄川にえかわ辺まで参りたくあれど、女の足のご難儀ならば元山もとやまの宿で宿まりましょうほどに、ゆるゆるとおいでなさりませ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
木曾旅行の途次、贄川にえかわの宿で乗合馬車が暫くのあいだとまっていた時のことである。折から鉄道工事の最中なので、大勢集っていた工夫たちにまじって、名産の「ななわらい」を一杯試みた。
本山から贄川にえかわまで二里
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)