象牙彫ぞうげぼ)” の例文
そして、象牙彫ぞうげぼりの仕事場の隅におかれた、手箪笥てだんすをゴトゴトやっていたが、やがて、小さな象牙彫りの印籠いんろうを持って来た。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
ところが、木彫りがこんなに微々としてふるわぬに反して、象牙彫ぞうげぼりは実に盛んになって来ました。
緑のゴブラン織のやうな蔦の茂みを背景にして背と腰で二箇所に曲つてゐる長身をやをら伸ばし、ほうきを支へに背景を見返へる老女の姿は、夏の朝靄あさもやの中に象牙彫ぞうげぼりのやうにうるんで白くえた。
蔦の門 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)