詞客しかく)” の例文
この保胤に対しては親王も他の藻絵そうかいをのみ事とする詞客しかくに対するとはおのずから別様の待遇をなされたであろうが、それでも詩文の道にかけては御尋ねの出るのは自然の事で
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
およそ月を観て興を惹くは、山におけるより水におけるをすぐれりとす。月東山を離るといふの句は詞客しかくの套語となれりといへども、実は水に近き楼台ろうだいの先づ清輝を看るを得るの多趣なるにかず。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)