裸形らけい)” の例文
その羅ものの底から、体のうら若い、敏捷な態度が、隠顕出没して、秘密げに解け流れる裸形らけいになつて見えるやうである。
クサンチス (新字旧仮名) / アルベール・サマン(著)
日本画の線と色とは如何いかなる程度まで婦女の裸形らけいを描き得るや。歌麿の錦絵鮑取あわびとりの図三枚続はこの問題を考究するに必要欠くべからざる参考品なるべし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
男も女もこの奇異な裸形らけいに奇異な場所で出遇って笑いくずれぬものはなかった。卑しい身分の女などはあからさまに卑猥ひわいな言葉をその若い道士に投げつけた。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)