行衛ゆくへ)” の例文
旧字:行衞
しまひには家養の習慣も忘れ、荒々しい野獣の本性ほんしやうに帰つて、行衛ゆくへが知れなくなつてしまつたのである。三日つても来ない。四日経つても帰らない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
云ふ迄もなく、母親は悲惨な死を遂げ屍骸しがい行衛ゆくへさへも不明となつたのである。
アリア人の孤独 (新字旧仮名) / 松永延造(著)
重右衛門を始めて湯田中に連れて行つたのは、勝五郎といふ其頃有名な兄分で、今では失敗して行衛ゆくへ知れずになつて居るが、それがよく重右衛門の初陣の夜の事を得意になつて人に話した。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
君の行衛ゆくへはいづこぞや
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
高き行衛ゆくへにいざなはれ
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
鳥の行衛ゆくへも見えわかぬ
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)