行亙ゆきわた)” の例文
平次はさかづきを擧げました。大きい膳に並べた料理は、ひどく貧乏臭いものですが、お靜の心盡しが隅々まで行亙ゆきわたつて、妙にかうホカホカとした暖かいものを感じさせるのです。
忽ち壓迫的な沈默が支配して、無氣味な空氣が、家の隅々にまで行亙ゆきわたります。
全身に行亙ゆきわたって居るのに驚かされるばかりです。
黄金を浴びる女 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
といふ囁きが、隅々までも行亙ゆきわたります。