蠱物まじもの)” の例文
当麻語部とかった蠱物まじもの使いのような婆が、出しゃばっての差配が、こんな事をき起したのだ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
しかじかのよしを語れば、此の法師鼻を高くして、これらの三三五蠱物まじものらをらんは何のかたき事にもあらじ。必ず三三六静まりおはせとやすげにいふに、人々心落ちゐぬ。
根津仏町勘解由店かげゆだな刑部おさかべ屋敷の露地口で、京助という手代から、一個ひとつの品物を奪い取って以来、碩寿翁は蠱物まじものにでもかれたかのように、心が絶えず動揺し、心が恐怖に襲われた。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
当麻語部とか謂つた蠱物まじもの使ひのやうな婆が出しやばつての差配が、こんな事を惹き起したのだ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)