蛮音ばんおん)” の例文
内心、きもをつぶしながらも、ひるみを見せまいとする呂宋兵衛は、蛮音ばんおんをはりあげて、刀へ手をかけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一部始終を申立てた。阪東訛ばんどうなまりの雑つた蛮音ばんおんで、三戦連勝の勢に乗じ、がん/\と遣付やりつけたことであらう。もとより事実を陰蔽して白粉をけた談をするが如きことはあへてし無かつたらう。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)