薬味箪笥やくみだんす)” の例文
薬味箪笥やくみだんすのごとく万能な彼の「文明」思潮のあらゆる領域について前史から後史を区別するためのいくつかの屈折点が認められるであろう。
福沢諭吉 (新字新仮名) / 服部之総(著)
余計な憎まれ口をたたいて、漢方医者の薬味箪笥やくみだんすのように、沢山の引出しがあり、一々、書附けが張りつけてでもあるような頭脳あたまだといったりした。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
しかも刀剣が八ふり、槍が三本、鎧が二領、それらの中に交って、老人、医道の心得があるらしく、いく袋かのせんじ薬と共に、立派な薬味箪笥やくみだんすが見えました。
この煎薬せんやくを調進するのが緑雨のお父さんの役目で、そのための薬味箪笥やくみだんすが自宅に備えてあった。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)