薄雲太夫うすぐもだいふ)” の例文
そりや新聞に出てゐた通り、南瓜かぼちや薄雲太夫うすぐもだいふと云ふ華魁おいらんれてゐた事はほんたうだらう。さうしてあの奈良茂ならもと云ふ成金なりきんが、その又太夫たいふに惚れてゐたのにも違ひない。
南瓜 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何でもその晩もあいつは酔つぱらつて薄雲太夫うすぐもだいふの側へ寄つちや、夫婦になつてくれとかなんとか云つたんださうだ。太夫たいふはうぢや何時いつもの冗談じようだんと思ふから、笑つてばかりゐて相手にしない。
南瓜 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なに誰の仕掛だ。勿論薄雲太夫うすぐもだいふのさ。
南瓜 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)