蒲田がまた)” の例文
はや雲深くとざされ、西穂高が間々まま影を現わすより、蒲田がまた谷へ下りかけた事と知れ、折り返して頂上にで、東北へと尾根伝いに下る。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
槍ヶ嶽を越えて、飛騨ひだ蒲田がまた温泉へ出る事が出来るかどうか。近頃噴火の噂がある、焼嶽やけだけへも登山出来るかどうか。槍ヶ嶽の峯伝ひに穂高山ほたかやまへ行く事が出来るかどうか。
槍ヶ岳紀行 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
尚ほ船津営林署に於ては蒲田がまた温泉より白出沢を通じて当小屋に至る三尺幅の新道を開通し完全に危険を去り此の間四里且つ蒲田温泉へは半里の栃尾迄自動車の便あれば衆俗を
単独行 (新字新仮名) / 加藤文太郎(著)
かえってひろいだけに、徒渉の回数は少い、深山の渓流としては、先ず安楽な方で、小渋川や、槍ヶ岳の蒲田がまた谷などとは、深さと、急と、けわしさとにおいて、到底、比べられない。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
二十三日 蒲田がまた谷に下り、右俣に入りて、蒲田温泉に一泊。
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)