蒲冠者かばのかんじゃ)” の例文
「八ヵ国の大小名みな眼をつけおるが、あれのみは許さぬ。蒲冠者かばのかんじゃにすら与えずにあるのだ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曼公が周防国すおうのくに岩国いわくにに足を留めていた時、池田嵩山すうざんというものが治痘の法を受けた。嵩山は吉川きっかわ家の医官で、名を正直せいちょくという。先祖せんそ蒲冠者かばのかんじゃ範頼のりよりから出て、世々よよ出雲いずもにおり、生田いくた氏を称した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)