葦笛あしぶえ)” の例文
公園の木には、たくさんのすずめがいました。エキモスは子供たちとあそびつかれると、木のかげにやすんで、銀色の葦笛あしぶえをふきます。
銀の笛と金の毛皮 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
彼は一瞬考えて、それから、眼をきらきらさせ、まんざら悪くない声で、といっても、ときに裏声になって、裂けた葦笛あしぶえの音のようになったが、面白い昔のうたをうたいだした。
ふしぎな皮袋とふしぎな葦笛あしぶえ……。エキモスは、にわかに元気がでてきました。そして都をさしてやっていきました。
銀の笛と金の毛皮 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
エキモスはお礼をいって、主人からもらったお金を毛皮の袋にいれ、白く銀色に光る葦笛あしぶえをもって、ほかにはなんの荷物もなく、つれもなく、ぼんやりでかけました。
銀の笛と金の毛皮 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)