莫迦気ばかげ)” の例文
旧字:莫迦氣
彼は庭園中を横行濶歩したが、何を見ても感心せず、事実、乱暴で莫迦気ばかげきったことばかりいうので、我々はついに彼をまいて了った。
この話を聞いたときばかりは、流石さすがの乃公も、金槌かなづちで頭を殴られたようにはっと驚いたよ。——だが、そんな莫迦気ばかげたことがあるものかと、憤慨した。
不思議なる空間断層 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「そんな莫迦気ばかげた証跡が」熊城は癇癪かんしゃくを抑えるような声を出して、「いったいどこで足跡の前後が証明されるね?」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
纒持が棟木にとまっている有様に至っては、この上もなく莫迦気ばかげている。彼等は勇敢な者達で、屡々彼等の危険な場所に長くいすぎて命を失う。
僕はそんな莫迦気ばかげたことがと排斥はいせきしていたのが、そもそも大間違いではなかったかと考え直し、それからもう一度一切の整理をやり返すと、始めてすこし事情が判って来た。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「座間、名案があるぞ。僕にそんな莫迦気ばかげたことを、いわないでもすむようになるぞ」
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
これは或は莫迦気ばかげているかも知れぬが、理解のある人が、ある種のことをいった後で木材を叩いたり、戸の上に蹄鉄を打ちつけたりすることだって、同様に莫迦げている。
しかし、その室が古代時計室だということを知ると、収蔵品の驚くべき価値を知る法水には、一見莫迦気ばかげて見える蒐集家の神経をうなずくことが出来た。廊下はそこを基点に左右へ伸びていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「いや、どうしてそんな莫迦気ばかげた話などがあるものかね」
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)