荒彫あらぼ)” の例文
ざっとした荒彫あらぼりではあった。けれど武蔵にとっては、自分のたましいを打ちこめ、慚愧ざんきの涙をもって、亡き一少年の冥福を祈りつつ彫りあげたものなのである。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
入り口には、いくらかの彫刻が施してあるが、荒彫あらぼりの砂岩石の柱が二、三本と、またその柱と同じ石の控え壁をもっている瓦ぶきの屋根があるばかり、ただそれだけのことでした。